二世帯住宅を建築する際、住みやすい居住空間とするため間取りや建築資金を考慮しながら建築を検討する一方で、将来に渡って名義や相続税、贈与税について様々な疑問や悩みを持つ方も少なくありません。
また、相続によってトラブルが勃発することが、すでに今から想像できるというご家族も多いのではないでしょうか?
そこで今回は
- 二世帯住宅の相続税や贈与税の仕組み
- 税金を安くする方法
についてご紹介したいと思います。
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二世帯住宅の相続や贈与でトラブルは多い?!
相続に関する問題は何も日本だけではないと思いますが、大抵の場合、家族間において相続トラブルを避けることができないという場面に直面する方は多いと思います。
特に兄弟姉妹のいるご家族の場合は、二世帯住宅を建築する前に必ず相続についての話し合いを行っておくべきだと言えます。
実際に相続トラブルが勃発するのは、両親がどちらも他界した時です。
その際、遺産分割により土地と建物の権利は兄弟に糖分されることになります。
しかし、そこに住んでいない兄弟姉妹はその権利を主張することができず、共有物分割請求を起こすことになってしまうのです。
このようなことになると、二世帯住宅を売却し現金化して、兄弟姉妹で等分せざるを得ない状況となります。
せっかく建築した二世帯住宅を、このような家族間での相続トラブルが起こるととても残念な気持ちになりますよね。。!
このようなトラブルを避けるためには、両親いずれかが健在のうちに専門家などに相談し法的遺言書を作成すること。
又は、生前贈与を行い兄弟姉妹に均等に分配しておくなど、親世帯には様々な準備が必要であることを理解しておかなければなりません。
二世帯住宅の相続税の仕組み
二世帯住宅を建築して居住している場合は、親世帯・子世帯がそれぞれに別居している場合に比べると、相続税を抑えることができる可能性が高くなります。
これは「小規模宅地等の特例」が対象となる場合です。
この「小規模宅地等の特例」とは、相続した土地の評価額を最大80%も減額対象としてもらえる制度のことを指します。
また、この小規模宅地等の特例を受けることができる条件は【親世帯と子世帯が同一敷地内で同居・また生計を共にしている場合】が対象となるため、とても有効な制度であると言えます。
この制度を利用することで課税価格が減額になり、基礎控除内となる可能性も高くなるというわけです。
二世帯住宅の贈与税の仕組み
二世帯住宅の贈与税については「受託取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例」によって適用可能な非課税枠に応じ、建物の名義を決めることになります。
この時、親世帯から住宅資金について援助を受けている場合は、後に贈与税が課税されることを避けるために、建物の持ち分のうち、3分の1又は3分2を登記しておくと、1200万円または700万円の範囲内において適用されることになります。
尚、贈与を行わず、建物の持ち分を親世帯の名義とした場合、将来の相続は固定資産税評価額によって税負担を軽減させることができます。
また、二世帯住宅建築の際、相続を考慮し、土地の名義変更をされる方もいます。
しかし、この土地の名義変更については贈与税がかかってしまいます。
その際、相続時精算課税を選択することで2500万円までであれば贈与税がかからない措置を講じることはできますが、これは将来に渡って実際に相続を受けた際、相続財産に加算されることになってしまうのです。
そして、小規模宅地等の特例を利用することができず、贈与によって取得した土地には不動産取得税が課税されてしまいます。
このように、相続時精算課税については利用しにくく、実際には基礎控除を超える相続財産がある場合は、80%減となる小規模宅地等の特例を利用するのが良いと言えるでしょう。
税金を安くするには小規模宅地の特例を利用する!
小規模宅地等の特例は、土地の評価額を最大80%減させることができます。
そのため、結果的に相続税の節税につながります。
小規模宅地の特例を受ける条件とは?
小規模宅地の特例は、すべての二世帯住宅の方がその対象となるわけではありません。
この特例を受ける対象とならない方の例としては、区分所有登記を行っている場合は、小規模宅地の特例の対象とはなりません。
【相続人の条件】
- 相続人と被相続人が同じ家に同居していること
- その家屋や親世帯が老人ホームで居住していたために空家となっていた
- 二世帯住宅である
- 相続以前3年間で持ち家がなく同居していなかった場合
小規模宅地の特例を受けることができる宅地は、土地面積が330㎡までの土地の相続税評価額は、80%減となり、330㎡を超えた面積部分は、100%として課税されます。
①相続以前から被相続人と共に居住している
小規模宅地の特例を受けるには、被相続人と生計を一にしている必要があります。
もしも同じ世帯に居住していない場合は、特例を受ける対象とはなりません。
②相続後、相続した宅地を10ヶ月間使用している
相続後、10ヵ月以上、相続した宅地をその状態のまま継続利用している方でなければこの特例を受けることはできません。
また、相続する土地が広ければ広いほど減額率は低下します。
③不動産賃貸・駐車場の場合は減額率が低下
例えば、親が生前、宅地家屋の改装を行い、相続する土地の一部を賃貸としている場合や、収益のために駐車場として利用している場合は、その土地の評価額が50%減まで低下してしまうことになります。
そして、土地の広さの限度面積が200㎡まで狭くなり、様々な制限を受けることになります。
ここで言う、貸付事業は、不動産賃貸業以外にも、駐車場業そして自転車駐輪場業がこれに該当します。
なぜ二世帯住宅だと小規模宅地の特例を受けれるの?
改めて、なぜ、二世帯住宅だと小規模宅地の特例を受けることができるのでしょうか?
これは、相続以前から被相続人と共に生活を送っていることが条件をクリアする要件となるのです。
この小規模宅地の特例の対象となれば、必然的に土地の評価額が低下し、本来発生する税金が抑えられ、結果的に節税対策にもなるというわけです。
今回のまとめ
二世帯住宅の相続税や贈与税について、安くする方法をご紹介しましたが、いかがでしたか?
不動産を相続する場合は、一定条件をクリアすることで受けられる特例を活用すると、80%もの相続税評価額を減額させることができることがわかりましたね!
その相続税を少しでも安くするには、「小規模宅地等の特例」を活用されることをおすすめします。
特に土地の価格が高額であるほど節税効果を発揮することができるため、活用することで税金を安くすることができると言えます。
また、その特例を受けるために、二世帯住宅を建築する際はこの要件にクリアするように建築を行うことも念頭においておくと良いでしょう。
今は、親世帯・子世帯が独立したプライバシーの保護を目的とした二世帯住宅も増えています。
そして、お互い干渉されることのないスタイルで快適な生活を送ることができるとして、二世帯住宅の建築も増えています。
二世帯住宅も設計段階で様々なプランを検討することも可能です。
まずは相続税や贈与税について考慮した上で、将来に渡って節税となる二世帯住宅の建築を行いましょう*
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