親と同居する二世帯住宅、将来的には必然的に介護の問題が付随してきます。
将来の介護に備えて二 世帯住宅を建築される方も多いかと思います。
そこで今回は、介護も視野に入れて完全分離型の二世帯住宅を建てるには、どのような間取りが適しているのか?
実際に間取りも踏まえてご紹介していきます*
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完全分離の二世帯住宅は介護にも向いている??
二世帯住宅には玄関水周りなど全ての空間設備をそれぞれ2つずつ持つ”完全分離型”。
二世帯で一部を共用する”一部共有型”。
全てひとつずつの空間設備を家族みんなで共有する”同居型”の3種類があります。
この中でも『完全分離型の二世帯住宅が介護向き』という意見が最近多くなってきています。
まずはその理由を考えてみましょう!
完全分離型の意外なメリット!
《介護前のメリット》
完全分離型ということは、玄関やお風呂トイレキッチンが別々にあり、それぞれの世帯で生活しています。
このため同居型に比べ、親が家事や家庭内の役割を高齢になってもこなすことが多くなります。
そうすると、頭を使い動いているため【そもそも介護状態に陥りにくい】という メリットがあるようです。
逆に同居型の場合は、高齢になって子供達と同居していると、 ついつい家事を頼んでしまいがちになります。
その為、自らの役割が無くなり、認知症や運動不足になりや すくなってしまいます。
《介護時のメリット》
次に介護状態となってしまった場合。
完全分離型だと訪問看護や介護を受けやすいというメリットがあります。
訪問看護・介護は自宅に看護師やヘルパーが訪れ、サービスを提供してくれます。
完全分離でない場合、要介護者にとってはありがたい反面、そこで生活する家族にすれば、見知らぬ他人が複数自宅に来られるのはストレスを感じる方が多いでしょう。
その点、完全分離型では居住スペースが区切られています。
ですので、他の家族に遠慮せずに、要介護者はサービスを受けやすくなります。
また、歩くことや立ち上がることが大変になってくると様々な設備が必要となってきます。
トイレやお風呂に手すりを設置したり、台や椅子を置くなど、他の健常な家族にとってみれば邪魔な福祉用具が必要になることも増えてきます。
その場合も、お風呂やトイレがそれぞれ独立している完全分離型二世帯住宅であれば、子供世帯の迷惑にならずに福祉用具を設置できます。
介護に適した間取りの考え方5つのポイント
介護に適した完全分離型の二世帯住宅の間取りのポイントは5つあります。
①親世帯の居住スペースに階段がない
高齢になれば階段の上り下りはきついものです。
エレベーターの設置も一案ですが高額な費用がかかります。。。
土地に余裕があるのであれば1階で衣食住が完結できる間取りが良いですね!
②子供世帯の居住スペースとの行き来が内部で可能
完全分離型の二世帯住宅には内部でつながっており往来が可能なものと、
内部でつながっておらず、それぞれの玄関から出入りしないといけないものがあります。
介護の面では、内部で往来可能にしておく必要があります。
例えば食事を運ぶにしても、一旦外に出るのでは雨の日は雨がかかるなど不便です。
トイレのたびに介助を要する、といった場合には内部で往来できないと、子供世帯も疲れてしまいます。
③ベッドからトイレが近い
高齢となると、ベッドとトイレの距離が近いことで、排泄コントロールしやすく、失禁が少なくなり自尊心を保ちやすい、などのメリットがあります。
ベッドからすぐトイレに行ける間取りはベストですが。。。難しい場合には、
【寝室の収納の一部をトイレにリフォームできるよう、収納スペースを広めに取っておく】
という手もあります。
④車椅子対応
車椅子が走行できるような巾を確保しておく必要があります。
理想は壁のないワンルームが最も良いです。
壁や曲がり角が多いと車椅子は小回りが利かないため、操作が困難となります。
廊下幅も一般的な1尺よりも、車椅子が通れるよう1mとやや広めにとっておくのがオススメです!
⑤ベッドから駐車場の動線確保
意外に見落としがちなのが、外に出る手段です。
車椅子で駐車場まで行くことが困難な住宅がほとんどではないでしょうか?
この場合、必ずしも玄関を通る必要はありません。
ベッドがある寝室に掃きだし窓を設けておいて、車椅子で直接出入りするようにする、などの工夫ができます。
《5つの条件を満たした間取りの例》
こちらの間取りが”介護”そして親が亡くなったあとの賃貸まで想定した、未来を見据えた間取りとなって います。
(引用元:http://www.asahi-kasei.co.jp/)
全てを考え抜かれた最高の間取りは、やはり二世帯住宅を得意とするハウスメーカーが強いです!
これは必須!介護に便利な設備
介護に便利な設備は、介護者の状態に合わせていろいろとあります。
建築の際から気をつけるものとしては。。
- 引き戸
- 廊下幅
- フローリング
- 敷居を無くす
といった点です。
①引き戸
車椅子となった場合、引き戸に対し開き戸は非常に使いづらいです。
引き戸にすることで、老若男女誰にとっても使いやすくなります。
②廊下幅
廊下幅は前述しましたが1尺ではなく、最低1mとっておくと車椅子でも通りやすいです。
③フローリング
フローリングにしておくメリットとしては【車椅子が使いやすい】という点です。
また、立ちすわりや寝起きが大変になるため、床に座り布団に寝る生活ではなく、
椅子に座り、ベッドに寝る生活のほうが楽になります。
そのため、畳ではなくフローリングに最 初からしておくほうがおすすめです!
④敷居をなくす
歩くことが大変になってくると、手押し車などを使いだすこともあります。
その際敷居がないと、スムーズに歩くことができます。
もちろん車椅子にとっても敷居はないほうが良いです。
今は、ドアも吊戸になっていたり、敷居完全無しに作ることが可能です。
最初から敷居無しに作っておく事がおすすめです。
今回のまとめ*
親世帯と子世帯が共に住まう二世帯住宅は、介護や育児など人生の大変な面を分かち合える 大きなメリットがあります。
そして、要介護状態になったとき、一つ屋根の下に家族がいる安心感は計り知れません!!
家族みんなができるだけ最後まで暮らせるような理想の我が家を建て たいものですね。
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